カステラは、お土産やおやつとして人気がありますが、気になるのは底の紙の存在。
紙を剥がすと、底のおいしい部分も一緒に剥がれてしまうことが多く、ちょっと残念な気持ちになります。
でも、カステラの底に紙がないと、カステラをカットしたり包装する時や、食べる人が袋から出すときに底がべったりとくっついてしまうので、底の紙は無しにすることは難しいでしょう。
この記事では、カステラの底の紙を上手に剥がす方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
カステラの底に紙がついている理由は?
カステラの底に紙がついている理由は、はっきりとはわかりませんでした。
長崎県内には、福砂屋、文明堂、松翁軒、異人堂など有数のカステラメーカーがありますが、公式サイトをいくつか見ても、紙についての記載がなかったためです。
特別な理由があれば、どこかで紹介していると思うのです。
でも、もしカステラの底に紙がなければ、食べる際、包んでいる袋に底がくっついてしまうので、底の紙がないと困ると思います。
また、製造の際、焼きあがったカステラを切り分けたり包装する際にも、底の部分がくっついて、茶色い部分が取れてしまうのではないかと思います。
カステラの底に紙がついている理由について、公式サイト以外では以下のような情報が見つかりましたが、4番目と5番目の理由以外はピンときませんでした。
- 生地が型から流れ出ないようにするため
- 紙を敷くことでざらめが全て溶けるのを防ぐため
- 型からカステラをきれいに取り出すため
- カステラが傷つかないように保護するため
- 食べる際に箱や袋から出すときに、スムーズに取り出しやすくするため
1と3の理由については、焼いた後に紙を取ることも可能ですし(作業工程を見ている限り、紙を外したからといってカステラが崩れてしまうことはないです)、ザラメがないカステラの場合は2の理由が当てはまらないからです。
カステラの製造工程や包装に紙は不可欠
カステラは、専用の大きな型で一度に焼き、その後カットして包装して販売されます。
だいたい、一つの型で10本やそれ以上のカステラができます。
側面は「木枠」と呼ばれる大きな木の枠が使われることが多く、底と側面が分かれているので、紙を敷かないと木枠と底の隙間から生地が流れてしまいます。
木は、金属とは熱の伝わり方が違うため、しっとりとしたカステラができるようです。
生地をカステラの型に流し込むときは、底と側面に、パラフィン紙(ワックスペーパー)などを敷きます。
木枠ではなく、大きな四角い型の場合もありますが、その場合も、底(や側面)に紙を敷いていました。
カステラを焼く工程を調べてみると、とても手間のかかるものだということがわかりました。
焼いている途中で、生地を混ぜる「泡切り」という工程を何度か行い、その後、木枠を追加して高くし、上に鉄板を置いて蒸し焼きにしていることが多いです。
焼いている間、何度も釜(オーブン)の中を確認して、生地の様子を確認していました。
焼いた後は、一度ひっくり返して側面の紙をはがし、もう一度ひっくり返して、一晩~1日ほど寝かせて完成します。
(上に紙を敷いて、上下逆にして寝かせているところもありました)
型に紙を敷いて焼くというのは、ケーキを作ったことがある方はイメージがつくかもしれません。
スポンジケーキやパウンドケーキの場合は、焼いた後にクッキングシートを外してもベトベトすることはないですよね。
でも、カステラの底の紙をはがしてどこかに置いたら、きっとベトベトして茶色い部分が剥がれてしまうと思います。
そのため、紙を付けたままの販売になるのではないでしょうか。
この他にも、カステラを包装する時に傷つけないようにするためだったり、私達が食べる時に、箱や袋から取り出しやすくするためでもあると思います。
ちなみに、カステラの底の紙の名前は「美装板」という情報もありましたが、美装板は焼く時に使う紙ではなく、包んだり、上に乗せている紙のことを指しているのではないかと思います。
カステラの底紙は食べるもの?
カステラの底に貼られた紙は、食べるのかどうか気になる方もいるようです。
多くの人は紙を食べることはないでしょうし、私自身も食べたことがありません。
しかし、ネットを見ると「子供の頃に食べた」という声をちらほら見かけました。
紙を使う理由を見てもわかるように、紙ごと食べるために紙を強いてカステラを作っているわけではありません。
紙は食べずに捨てましょう。
カステラやザラメが紙に付いてしまった場合は、フォークを使って慎重に削り取ることで、美味しさを余すことなく楽しむことができます。
中には、こうやって食べるのが好き!という方もいます。
ただし、紙が破れてうまく取れなかったり、外で食べる時にはちょっとお行儀が悪いかな…と感じるかもしれません。
というわけで、次の項目で、きれいに紙を外す方法を紹介するので参考にしてくださいね。
カステラの底紙を上手に剥がす方法
カステラの底紙をきれいに剥がすには、底の部分を温める、または、カステラを冷蔵庫で冷やしておく、という方法があります。
温めて柔らかくする
一つ目は、紙(底の部分)を、さっと温めてあげる方法です。
カステラを焼く過程で底に溜まった砂糖が、冷めたときに紙にくっつきやすくなります。
そのため、底を温めて砂糖を溶かすことで、紙がはがれやすくなります。
カステラの底の部分が紙についてきてしまうのを、最小限に防げますよ。
紙を剥がすときは、上や斜めに引っ張るのではなく、横に(カステラの底と平行に)ゆっくり引く方がきれいに取れるでしょう。
手で温める
温める方法はいくつかあります。
道具なしで簡単にできる方法は、手をすり合わせて手のひらを温め、その手を紙にあてることです。
15秒くらいあてましょう。
フライパンやスチームアイロンなどで温める
続いて、家庭にある道具を使う方法です。
例えば、どの家庭にもあるフライパンを少し温めて、カステラの紙の部分を軽くあてましょう(約10秒)。
これで、紙が、カステラからスムーズに剥がれやすくなりますよ。
ホットプレートでもできますし、温めた鍋の底に、カステラの底をあててもいいですね。
コーヒーなど、温かい飲み物が入ったカップの上に乗せて温める、という方もいました。
スチームアイロンを使う方法もあります。
紙の部分に近づけるだけなので、アイロンをよく使う方は、フライパンを使うよりも簡単かもしれません。
この他には、お湯につけて温めたスプーンで、アイロンをかけるように紙の部分を温めてもよいでしょう。
冷やす
もう1つの方法は、カステラを冷蔵庫で冷やして食べることです。
フワフワのカステラより、冷やしてギュッと締まった食感が好き、という方にはこちらがおすすめです。
冷蔵庫から出してすぐに紙をはがすようにすれば、きれいに紙が取れるでしょう。
冷凍保存している場合は、冷凍庫から出してすぐに紙を取れば、さらにきれいに紙が剥がれるようですよ。
何となく想像つきますね。
まとめ
長崎カステラは、ポルトガル由来の製法をベースに、長崎独自の方法で製造されています。
長崎カステラの特徴は、そのしっとりとした食感と洗練された甘さにあります。
カステラの底の紙は「無い方が食べやすい」という意見がある一方で「紙に付いているところが美味しくて好き」という方も結構います。
カステラの底紙は、製造過程で不可欠なものです。
紙が無い方が食べやすいという方は、底を温めて横に(底に平行に)ゆっくり引いて剥がせば、茶色い部分が剥がれるのを最小限にできるでしょう。
温める以外には、冷蔵庫で冷やしたり、冷凍した場合も、きれいに剥がすことができます。