アクリル絵の具は、鮮やかな発色と扱いやすさで、アーティストからDIY愛好家まで幅広く使用されています。
しかし、楽しい制作活動の後には、パレットの掃除が待っています。
パレットに残ったアクリルペイントが乾燥してしまうと、後からの掃除が困難になることも。
そんな時でも、パレットを捨てずにきれいに再利用する方法をお伝えします。
アクリルペイントの成分と掃除のコツ
アクリル絵の具は、主に以下の成分から成り立っています。
- 顔料:色をつけるため
- 固定材:ペイントを表面に定着させるため
さらに、ペイントを柔らかく保つ増粘剤や、均一に混ざるようにする混合剤も配合されています。
結合剤にはエマルジョンと呼ばれる合成樹脂が使われており、乾く前は水で溶けますが、乾燥すると耐水性が増します。
この特性のため、乾燥後のペイントは、水だけでは落としにくくなります。
パレットを効果的に掃除するための最も重要なコツは、ペイントが完全に乾く前に早めに洗い流すことです。
アクリルペイントをパレットから除去する効果的な方法
アクリルペイントをパレットから効果的に除去するための方法をここで紹介します。
また、家庭で簡単に試せるクリーニングの裏技も併せてご紹介します。これにより、パレットを長く清潔に保つことができます。
温水を使用したパレットの掃除方法
パレットにまだ完全に乾いていないアクリルペイントが残っている場合、温水だけで簡単に除去できます。
必要なもの
- 温水
- ブラシまたはキッチンスポンジ
手順
適度な温度のお湯(約40度が推奨)を使い、パレットを洗います。
特にペイントがしっかりと付着している部分は、ブラシやキッチンスポンジを使用して擦り取ります。
メラミンスポンジを使った洗浄方法
乾燥して硬化したペイントがお湯とブラシやスポンジだけでは落とせない場合、メラミンスポンジが効果的です。
必要なもの
- 温水
- メラミンスポンジ
手順
温水でパレットを濡らし、その後メラミンスポンジで硬化したペイントを擦り落とします。
メラミンスポンジは優れた洗浄力を持っていますが、パレットを傷つけないように優しく擦ることが重要です。
水に浸けておく方法
アクリルペイントが完全には取れない時は、パレットを水または温水に一晩つけてみるのが良いでしょう。
必要なもの
- 水または温水
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
手順
- ペイントが付いたパレットを水か温水に一晩浸します
- 翌日、キッチンスポンジまたはメラミンスポンジを使って、柔らかくなったペイントを擦り取ります
- 最後に、パレットを再び水または温水で洗い流し、きれいにします
この方法により、乾燥したペイントが柔らかくなり、より簡単に除去できるようになります。
それでもペイントが残っている場合は、他の家庭用品を使ってさらにクリーニングする方法も検討してください。
裏技1:重曹を使用したパレットクリーニング
パレットにこびりついたアクリル絵の具は、重曹の研磨効果を利用して簡単に除去できます。
必要なもの
- 重曹
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
手順
- スポンジを水で湿らせ、そこに重曹をまぶします
- パレットの絵の具が付いた箇所をスポンジで力を入れずにこすります
- 絵の具が取れたら、パレットを水または温水で丁寧に洗い流します
裏技2:洗剤スプレーでの絵の具除去
油汚れに強い洗剤スプレーを使って、パレットに残ったアクリル絵の具を効果的に取り除く方法です。
必要なもの
- 洗剤スプレー(マジックリンなど)
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
手順
- 絵の具がついたパレットの部分に洗剤スプレーを直接吹きかけ、少し待ちます
- スポンジで軽くこすり、絵の具を落とします
- 絵の具が全て取れたら、最後にパレットを温水で洗います
裏技3:マニキュア除光液でのクリーニング
乾燥して硬くなったアクリル絵の具は、マニキュア除光液を使うとスムーズに除去できます。
必要なもの
- マニキュア除光液
- ティッシュまたはコットン
手順
- ティッシュやコットンに除光液をたっぷりと含ませます
- パレットの絵の具が固まった部分に当てて、優しくこすり取ります
- 絵の具が落ちたら、水または温水でパレットをきれいに洗い流します
専用リムーバーやラッカーシンナーを使った方法
アクリルペイント専用のリムーバーやラッカーシンナーを使用し、しっかりと固まった絵の具を効果的に取り除きます。
必要なもの
- アクリル用リムーバーまたはラッカーシンナー
- 不要になった布
- キッチン用ゴム手袋
手順
- ゴム手袋を着用します
- 使用しなくなった布にリムーバーまたはシンナーを少量つけ、パレットに付いた絵の具を拭き取ります
この作業を行う際は、室内の換気を良くしてください。
リムーバーとシンナーは、それぞれ専門店やオンラインで購入可能です。
アクリル絵の具を頻繁に使用する方は、これらを備えておくと便利です。
頑固なアクリル絵の具の汚れの扱い方
様々な方法を試しても、アクリル絵の具がパレットから完全に取り除けないことがあります。
パレットに残った絵の具が完全には取れず、色が薄く残ることもありますが、これが色の混合に影響を与えることはありませんので、引き続き使用して問題ありません。
絵の具を無理に取り除こうとすると、パレットが傷ついたり形が変わる可能性があります。
そのため、無理な清掃は避けることが大切です。
アクリル絵の具を使う際には、掃除が楽になるように次のような使い捨てのアイテムを活用する方法もありますよ。
- 紙パレット
- 牛乳パックの内側
- ラップを敷いたプラスチックパレット(使用後はラップを取り除くだけ)
紙パレットは特に便利で、使用後にすぐに取り除いて新しい紙に交換できます。
まとめ
- アクリル絵の具は乾燥する前は水溶性で、乾燥後は耐水性があります
- パレットに付着した絵の具は、乾く前にすぐ洗うことが望ましいです
- 乾燥していない絵の具は、温水とスポンジだけで簡単に取れます
- 頑固な絵の具は、水に一晩漬けたり、メラミンスポンジで擦るなどして取り除きます(強く擦り過ぎないよう注意が必要です)
- 重曹、クリーニングスプレー、マニキュア除光液などの裏ワザも有効です
- アクリル専用のリムーバーやラッカーシンナーの使用も可能です
- 絵の具が完全には落ちない場合は、パレットを傷つけないために無理をしないでください
- 清掃が簡単な紙パレットやラップを敷いたプラスチックパレットの使用がお勧めです