ズボンを数えるときには「着(ちゃく)」「本(ほん)」「枚(まい)」が使われます。
使い方に決まりはないようですが、どんなズボンにも使えるのは「着」です。
一着(いっちゃく)、二着(にちゃく)、・・・のように数えます。
加えて、ジーパンのような丈の長いズボンは、一本(いっぽん)、二本(日本)、・・・と数えることもあります。
制服のズボンについても「本」が使えますが、「着」を使うことの方が多いでしょう。
ショートパンツは「着」に加え、一枚(いちまい)、二枚(にまい)・・・と数えることもあります。
ズボンの数え方、着(ちゃく)・本(ほん)・枚(まい)について
ズボンの単位は「着」を基準に、丈が長い場合は「本」を、短い場合は「枚」を使用することもあります。
ただし、これは厳密な規則ではありません。
短いズボンでも「本」を使って大丈夫です。
そこまで神経質になる必要はありません。
ズボンの種類別に見る数え方
よく使われる数え方について表にまとめました。
どれを使ったらよいか悩む場合は、どんな種類・場面でも使える「着」だけ覚えるとよいでしょう!
表を見てもわかるように「着」は、フォーマルなスーツから、カジュアルなジーンズまで使えるのでおすすめです。
| ズボンの種類 | よく使われる数え方 | ポイント |
|---|---|---|
| ジーンズ・チノパン | 本・着 | 縦に長く筒状の形 |
| スーツや制服のズボン | 着・本 | 上下セットでは「着」が使われる |
| 短パン・ハーフパンツ | 枚・着 | 丈が短いズボン |
| (参考)下着のパンツ | 枚・丁 | 用途や文脈による |
どの表現も文法的に間違いではなく、形状や文脈に応じて自由に選ぶことができます。
例文
例文をいくつかあげますね。
- ズボンを3本持っている。→ 3着でもOK
- 制服を2着買った。→ この場合、言い換えはできません
- パンツを2枚洗濯した。→ 2着でもOK
- 新しいジーンズを1本購入した。→ 1着でもOK
- 半ズボンを3枚畳んで棚に入れた。→ 3着でもOK
- 子どものスラックスを2着クリーニングに出した。→ 2本でもOK
靴下や靴との数え方の違い
同じように足にはく靴下や、靴は、「足(そく)」を使って数えますが、ズボンは一足(いっそく)、二足(にそく)・・・とは数えません。
ズボンの長さや種類と数え方の関係
ズボンを数えるときは「着」が多いかと思いますが「本」や「枚」を使うこともあるので、そのあたりをもう少し詳しく見ていきましょう。
丈による数え方の違い
ロングパンツの場合、「着」の他に「本」と数えることがあります。
丈が長いズボンは、自然にこのような単位で数えられるようです。
逆に、ショートパンツや半ズボンは丈が短いため、「本」はあまり使わず、「枚」と数えることがあります。
ハーフパンツでも丈が長ければ「本」と呼ぶかもしれません。
スーツのズボンや制服の数え方
制服やスーツ用のズボンは、文脈やセットの有無によって数え方が変わります。
上下セットの場合は「着」と数えるのが自然で、単体で取り扱う場合は「本」と数えることもできます。
(上下セットで「一本」や「一枚」という数え方は不自然ですよね)
学校や会社での制服では、上下で着用するため「着」と数えるのが一般的ですが、家庭では「本」という表現も使われます。
また、スーツのズボンでもカジュアルに単品で買った場合は「本」で数える人が多く、用途や文脈で柔軟に使い分けられます。
「パンツ」「ズボン」「ジーンズ」言葉の違い
日本では、「パンツ」は2つの意味を持っています。
- ボトムスとしてのズボン
- 下着(ショーツ・トランクスなど)
※文脈によって意味が変わるため、「パンツ」という言葉は少し注意が必要です
| 地域 | 「パンツ」の意味 |
| 日本 | ズボン または 下着 |
| アメリカ | ズボン |
| イギリス | 下着(ズボンはtrousersが一般的) |
「デニム」と「ジーンズ」はどう違う?
「デニム」は綿の糸を使って綾織りにした丈夫な生地を指します。
一方で「ジーンズ」は、このデニム生地を用いて作られたズボンのことを指します。
つまり、素材が「デニム」であり、その生地で作られた製品が「ジーンズ」と考えるとわかりやすいでしょう。
「デニム」はフランスのニーム地方(Nîmes)で作られた丈夫な綾織りの綿生地が語源です。
歴史的には「de Nîmes(ドゥ・ニーム)」と呼ばれ、この生地が現代のデニムへと発展しました。
デニムは布地そのものの名称であり、耐久性が高く、作業着やカジュアルウェアに幅広く使用されます。
一方、「ジーンズ」はイタリアのジェノバ(Genoa)港で作られた生地に由来するという説があります。
英語では「Genes」や「Genois」と呼ばれ、19世紀には作業用の丈夫なズボンとして広まりました。
つまり、ジーンズはこのデニム生地を使ったズボン全般を指す言葉です。
現代では、デニムとジーンズはほぼ同じ意味で使われることが多く、日常会話では区別されないこともありますが、服飾史や素材に注目すると違いが理解できます。
デニムは表面が青く染められており、裏面は白いことが多く、綾織りによる独特の風合いがあります。
ジーンズはこのデニム生地を使ったパンツ全般であり、カラーやストレッチ素材などを含む場合もあります。
ジーンズの小さなポケットの意味
ジーンズの右前ポケットの内側についている小さなポケットは、もともと19世紀に懐中時計を入れるために作られたものでした。
当時の労働者が作業中に時計を落とさないよう工夫された実用的なデザインだったのです。
時代とともに懐中時計を持ち歩く習慣はなくなりましたが、この小さなポケットは象徴的なデザインとして今も残っています。
現代ではコインや鍵、アクセサリーなどを入れる人もいますが、主にファッション性を保つためのディテールとして受け継がれています。
よくある質問
ジーンズは1着?1本?
ジーンズは「本」と数えることも多いです。
「着」と数えることもありますが、どちらで数えてもOKです。
ショートパンツや半ズボンの数え方は?
ショートパンツ、ハーフパンツも、状況に応じて「枚」や「着」、どちらで数えても大丈夫です。
ハーフパンツは、裾が短い場合は「枚」、丈が長い場合は「本」と数えることもあります。
制服のズボンは「着」で数える?
制服のズボンは「着」で数えることの方が多いです。
特に、上下セットの場合は「1着」と数えます。
ズボン単体の場合は「1本」と数えることも文法的に問題ありません。
海外でのズボンの数え方
英語圏の表現
英語では、ズボンを「a pair of pants」と表現します。
左右一対の衣類として複数形の “pants” を使います。
1着の場合は「a pair of pants」、2着の場合は「two pairs of pants」というように、単位として “pair(s)” を用いて数えます。
なお、イギリス英語では「trousers」が一般的で、こちらも “a pair of trousers” と表現されます。
このように英語圏では、ズボンを単数で扱うことはほとんどなく、常に左右一対の衣類として認識されているのが特徴です。
- I bought a new pair of pants. → 新しいズボンを1本買った。
- She owns three pairs of trousers. → 彼女はズボンを3本持っている。
- Please fold two pairs of pants neatly. → ズボンを2本きちんと畳んでください。
中国語の表現
中国語では「条(tiáo:ティァォ)」という量詞を使ってズボンを数えます。
「一条裤子(yī tiáo kùzi)」は「1本のズボン」という意味です。
「条」は縦に長く柔らかい形状のもの全般に使われ、ズボンのほか、魚や川、布なども数えられます。
例文を挙げると、次のようになります。
- 一条裤子(yī tiáo kùzi) → 1着のズボン
- 两条裤子(liǎng tiáo kùzi) → 2着のズボン
- 三条裤子(sān tiáo kùzi) → 3着のズボン
まとめ
ズボンは丈や形、文脈によって「着」「本」「枚」などで数えることがあります。
これらの単位は、ズボンの長さや種類、使われる場面に応じて柔軟に選ぶことができます。
どんな種類・場面でも使えるのは「着」です。
日常では、長いズボンは「本」、短いズボンは「枚」もよく使用されます。