ハイターなどの漂白剤を過剰に使ったり、長時間漬け置きしてしまった結果、黒い服がオレンジ色に変色することがあります。
このような鮮やかなオレンジ色のシミは目立ち、衣服が元の状態に戻るかどうか心配になるかもしれません。
残念ながら、一度変色した衣類を完全に元の色に戻すことは難しいです。
復元を試みたい場合は、専門の修復業者に依頼する必要がありますが、高い費用と時間が必要となるため、多くの場合は変色した衣類を諦めることが一般的です。
これからは同じようなミスを避けるために、ハイターなどの漂白剤を使う際の注意点や、変色が元に戻らない理由をしっかり理解して、大切な衣類を守りましょう。
ハイターを使った黒い衣服の変色の理由
黒い衣服を漂白剤に浸すと、初めはオレンジ色に変色し、時間が経つにつれて徐々に白く変わっていきます。
24時間以上漂白剤につけ続けると、服はただ白くなるだけでなく、生地が劣化し始めることもあります。
変色の主な原因は、漂白剤に含まれる成分がシミや色素を根本から分解する力を持っているためです。
元々の黒色がオレンジ色へ変わり、次第に白へと色が分解されていきます。
このプロセスは、ヘアカラーの際に使われるブリーチが黒髪を一時的にオレンジ色にし、その後白くする過程に似ています。
漂白剤の取り扱いには注意が必要です。
漂白剤の種類と適切な使用法
多くの方が思い浮かべる「キッチンハイター」のような漂白剤は、大きく分けて二つのタイプがあります。
それぞれのタイプに適した使用方法を知ることは、衣類を適切に扱う上で非常に重要です。
●塩素系漂白剤
「キッチンハイター」を含むこのグループの漂白剤は、強力な漂白効果があります。
そのため、柄がある衣類に使用すると柄が消えてしまうことがあります。
この理由から、塩素系漂白剤は、基本的に白い衣類専用として使うことをお勧めします。
●酸素系漂白剤
一方で、酸素系漂白剤は塩素系に比べて漂白力が弱めですから、柄物の衣類でも安心して使用できます。
通常、これらは「おしゃれ着用」として表示されています。
ただし、色落ちしやすい素材には使用を控えるべきで、特に長時間漬け置きすると色抜けする可能性がありますので注意が必要です。
塩素系漂白剤による衣類の色抜けの修復法
塩素系漂白剤を誤って使ったり、部分的に色が落ちてしまった場合、白い衣類では問題ありませんが、色の濃いものや柄物では色抜けが非常に目立ちます。
漂白剤により変色した衣類を、元の状態に戻すことは通常難しいです。
専門業者による色復元の方法
もし、衣類を元の状態に戻したい場合は、専門の業者に染め直しを依頼することが可能です。
クリーニング店などで提供されていることがありますが、完全に元の色に合わせるのは技術的に難しいですし、仕上がりが期待通りになるとは限りません。
この方法は時間と費用がかかるため、依頼する際には十分な検討が必要です。
衣服の自己修理方法
愛着のある服を長く使い続けたい時、自分でできる修理方法をいくつか紹介します。
全体を染め直す
服全体が色褪せてしまった場合、全体を染め直すのが効果的です。
ただし、部分的な色落ちにはこの方法は適していません。そういった場合は「染色ペン」が役立ちます。
これは小さい範囲に正確に色を塗れるので、様々な色のペンを準備しておくと便利です。
染める前には、漂白剤を完全に洗い流して、染色ペンの色がしっかりと定着するようにすることが重要です。
油性ペンを利用する
特に黒い衣服には、油性ペンを使って色落ちした箇所をカバーする方法があります。
これは完璧な修復方法ではありませんが、見た目を一時的に改善するのに役立ちます。
急いでいるときや、一時的に見栄えを良くしたい場合に特に推奨しますが、永続的な解決策ではないことを理解しておく必要があります。
黒い服の洗い方
黒い衣類を洗う際の適切な方法を解説します。
今後の参考にしてくださいね。
色落ちテストをする
漂白剤の使用が心配な黒い服には、事前に色落ちテストを行うことをお勧めします。
見えにくい部分に漂白剤を少し付けた綿棒を当てて数分間放置し、色落ちするかを確認してください。
もし色落ちが起こる場合は、自宅での洗濯を避け、専門のクリーニングを検討するか、他の衣類とは別に洗うことをお勧めします。
さらに、漂白剤を使わず、通常の洗濯洗剤だけで洗う方法が安全です。
手洗いの利点
現代では、全自動洗濯機が多くの家庭に普及しており、生活になくてはならないアイテムとなっています。
しかし、洗濯機の設定では、すすぎや脱水の時間を詳細に調整することができない場合があります。
色移りが心配な衣類については、洗濯機よりも手洗いが推奨されます。
手洗いをすることで、衣類の状態を直接目で確認しながら丁寧に洗うことが可能です。
ただし、手洗いの際は熱いお湯を避け、衣類へのダメージや色落ち、やけどのリスクを減らすために、ぬるま湯を使用することが適切です。
漂白剤の選び方
漂白剤を使用する際には、塩素系と酸素系の漂白剤の違いを理解し、状況に応じて適切なものを選ぶことが重要です。
塩素系漂白剤は漂白力が強く、少量であっても色落ちの可能性が高いため、酸素系の漂白剤の方がやさしい効果で色落ちのリスクを抑えることができます。
ただし、どの漂白剤を使用する場合も、適切な使用時間に注意が必要です。
洗濯時の注意点
洗濯する際は、汚れても問題ない服を着用し、ゴム手袋をはめましょう。
漂白剤を使う際は飛び散ることがあるため、作業中は漂白剤が服や肌に付かないよう注意し、もし付着してしまった場合はすぐに洗い流してください。
まとめ
黒い服が漂白剤で誤って変色してしまうと非常に目立ち、結果的には部屋着としてしか使えなくなってしまうことがあります。
私自身も、漂白剤で黒いTシャツがオレンジ色に変色した経験があります。
漂白剤の使用には特に注意が必要で、変色した衣服を元通りに戻すのは非常に困難です。
そのため、漂白剤の取り扱いには慎重を期し、大切な衣服を守る努力が求められます。