スーパーで売っている鶏肉には、もも肉、胸肉、手羽元、ささみなど、様々な部位があります。
家庭で、失敗なく美味しいクリームシチュー(ホワイトシチュー)を作りたいなら「鶏もも肉」を使うのがおすすめです。
もも肉は、食べ応えもあり、煮込んでも硬くならず、うまみもたっぷりでシチューにぴったりです。
この記事では、クリームシチューに最適な鶏肉の部位や、事前に具材を炒めたり下茹でが必要かどうかなどをお伝えします。
クリームシチューに最適な鶏肉の部位はどこ?
クリームシチュー(ホワイトシチュー)には、鶏肉を使うのが一般的です。
牛乳(や豆乳)を使ったクリームシチューは、鶏肉との相性がバッチリだと感じます。
そして、鶏肉の部位の中でも「鶏もも肉」が最もおすすめです。
実際、クリームシチューには、鶏もも肉が一番よく使われています。
鶏肉と聞くと、もも肉、むね肉、ささみ、手羽元、手羽先などはどうなんだろう?と思うかもしれません。
クリームシチューには鶏もも肉以外の部位も使えるので、それぞれの特徴について見ていきましょう。
もも肉
シチューには、もも肉が最もおすすめです。
脂肪分が適度にあり、深い旨みがシチューの味を引き立てます。
食べ応えがあるのもいいですね。
もも肉は、煮込んでも柔らかさを保ち、濃厚で満足感のある味わいを楽しめます。
初めてシチューを作る方など、部位選びに悩んだら、もも肉で作れば失敗することはないでしょう。
初心者に優しいカット肉
料理初心者さんには、カット済のから揚げ用のもも肉が便利です。
から揚げ用のパックは、もも肉を一口大にカットしたものなので、から揚げ以外にも使えます。
もちろん、1枚のもも肉を自分で切ってもよいのですが、初めての方には少々難しいかもしれません。
肉は滑りやすく切りにくいですし、後片付けも一苦労です。
そのため、多少割高でも、既にカットされている肉を選ぶ方が便利です。
手羽元
手羽元(鶏の胸から手羽のつけ根にあたる部分)を使ったシチューのレシピもよく見かけます。
手羽元を煮ると、もも肉のように柔らかく、うまみもあるのでおすすめの部位です。
骨からも、うまみが出ますよ。
手羽元を使うと美味しいシチューができますが、骨付きのお肉は食べにくいのが難点ですね。
特に、お子さんがいる場合は、食べやすいモモ肉の方がよいでしょう。
手羽先を使ったレシピも見かけますが、シチューには手羽元の方がおすすめです。
むね肉、ささみ
鶏むね肉やささみ(むね肉で胸骨に沿った部位)は、脂肪が少なく、もも肉よりかなりあっさりした仕上がりになります。
肉質は軟らかいのですが、煮込むとパサつきがちです。
(上手に作れば、柔らかく作れるようです)
味や食感などの理由で、シチューにはもも肉を使う方が多いですが、あっさりした胸肉の方が好みという方も一定数います。
もも肉と胸肉を半々で使う、という方もいました。
胸肉はもも肉より安いことが多いので、半々だと、コストも少し抑えられますね。
ちなみに、胸肉かササミどちらかを使うということなら、胸肉がおすすめです(ささみの方が高いので)。
鶏ひき肉
部位、とはちょっと違いますが、シチューには、ひき肉(ミンチ)で鶏団子を作って入れることもできます。
ひと手間かかりますが、鶏団子のシチューも美味しいですよ。
ひき肉に、つなぎの小麦粉や片栗粉を少しと、塩コショウ少々を加え、団子状にして使います。
(このほか、卵、粉チーズ、味噌などの調味料を加えるレシピもあります)
鶏ひき肉には、もも肉のミンチや、むね肉のミンチ、ももやむね肉などのいくつかの部位が混ざったミンチがあります。
むね肉だけのひき肉で作ると、少しパサつくかもしれません。
シチュー作りの際、鶏肉は炒めるべき?
シチューを作る際に、鶏肉は、先に炒めることをおすすめします。
炒めずにそのまま加えてしまうと、鶏肉の旨味がほとんど煮汁に流出してしまい、食べるときに肉の味が抜けてしまったり、パサついてしまう可能性があります。
鶏肉をあらかじめ炒めて(焼いて)おくことで、油が肉の表面をコーティングし、中の旨味を閉じ込めることができます。
また、炒めた肉の焼き色は、風味を増す効果もあります。
この工程を省くのはもったいないです。
炒める前の鶏肉の準備
鶏肉は水分が多いため、独特の臭みが出ることがあります。
最初に、キッチンペーパーで、鶏肉表面の水分を拭き取りましょう。
その後、軽く塩とコショウをして、さらに薄力粉を軽く振りかけて焼くことで、肉からの旨味が逃げにくくなります。
この処理によって煮汁にも自然にとろみが出るので、ぜひ試してみてください。
全部まとめて炒めてもOK
ただ、なるべく簡単に作りたい、細かいことは気にしない、という方もいると思います。
その場合は、事前にお肉を焼かず、野菜とお肉を一緒に炒めても大丈夫です!
野菜は炒めずに、煮込む時に加えるという方もいますしね。
鶏肉の火の通し加減や、シチューに加えるタイミングについて
お伝えしたように、シチューに鶏肉を加える際は、あらかじめ焼いておくことが望ましいです。
鶏肉の火の通し方には、表面だけを焼く方法と、中まで火を通す方法があります。
鶏肉をシチューに加えるタイミングは、鶏肉を炒める際の火の通し方で変わってきます。
鶏肉に軽く焼き色をつけた場合
鶏肉に軽く焼き色をつけると、その旨味が内部に閉じ込められます。
軽く焼いた鶏肉をシチューに加えるタイミングは、野菜を炒めた後です。
水を加えて煮込む際に、焼き色をつけた鶏肉を入れて煮込むのが一般的です。
ただ、煮込んでいる間に、お肉の旨味が多少煮汁に流れ出ることは避けられません。
鶏肉に完全に火を通した場合
一方で、鶏肉を完全に火を通してから料理に加える場合、仕上げにお肉を加えるのが最適です。
このやり方では、鶏肉本来のジューシーな旨味を保ちつつ、煮汁への旨味の流出を最小限に抑えることができます。
鶏肉を炒める際は、完全に火を通しますが、焼き過ぎには注意が必要です。
過度に加熱すると、肉が硬くなる可能性があります。
鶏ひき肉の団子の場合
もうひとつ、鶏ひき肉を団子にして加える場合についても解説しますね。
鶏だんごの場合は、煮込む段階で沸騰した煮汁に直接加えるため、事前に炒める手間は不要です。
鶏もも肉を前もって炒める手間と、鶏団子を作って入れる手間を比較して、どちらが作りやすいかで選んでもいいですね。
シチューに加える野菜は下茹でする?
ここまで、シチューに使う鶏肉についてお伝えしましたが、最後に野菜についても軽く触れますね。
シチューに用いる玉ねぎ、人参、じゃがいもは、一般的には下茹ですることなくそのまま使います。
(もちろん、鶏肉も下茹でしません)
鶏肉、人参、じゃがいも、玉ねぎを主材料としたシチューの作り方は、カレーと似ているのでわかりやすいでしょう。
まずは材料を炒め、その後、水を加えて煮込む、という流れです。
そして、最後に、ルウや牛乳、他の調味料を加えて仕上げます。
ただし、ブロッコリーやスナップエンドウなどを具材として加える場合は、これらを煮込むと形が崩れるため、事前に下茹でしておいて最後に加えるのがベストです。
また、じゃがいもは、玉ねぎやにんじんなどと同じタイミングで煮ることが多いですが、形を保ちたい場合は、時間差で後から入れるか、下茹でしてから最後に加えるのが良いでしょう。
クリームシチューの作り方(流れ)
参考までに、クリームシチューの作り方の流れをまとめました。
簡単なルウを使って、具材は一般的な玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを想定しています。
- 玉ねぎ、にんじん、じゃがいもは一口大に切る(または、お好みの大きさに)
- 鶏肉は、塩コショウ、小麦粉を振って焼き色がつくまで焼くか or 中まで火を通して一度取り出す
- 玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを焦がさないように炒める
- 鶏肉と水を加えて沸騰したらあくを取る(鶏肉に火を通している場合は、煮込んだ後に加える)
- 具が柔らかくなるまで煮る(弱火~中火で15分くらい。蓋はしない)
- 火を止めてルウを入れて溶かす
- 弱火でとろみがつくまで、かき混ぜながら煮込む(5分くらい)
- 牛乳を加えて5分くらい煮込んでできあがり(茹でたブロッコリーなどを入れるならこの時)
まとめ
クリームシチューに使う鶏肉の部位選び、事前の調理法、鶏肉を加えるタイミングについて紹介しました。
シチューにおすすめの部位は「鶏もも肉」です。
初めての方は、まずはもも肉で作ってみるのが良いと思います。
想像以上にシチュー作りは手間がかかると思ったかもしれませんが、どの方法も美味しく仕上がります。
何度か試してみて、自分だけのシチューレシピを完成させてください。