会話で「おれい」というのは誰にでも馴染みのある表現ですよね。
でも、文字にするとき、「お礼」か「御礼」かどちらを使えばいいのか迷います。
どちらもよく見かけますし、間違いはないですが、公式な文書を扱う場合には適切な使い方があります。
そこで、この記事では「お礼」と「御礼」の明確な違いと、それぞれをどの場面で使うべきかを徹底調査しました。
この知識をぜひ役立ててください。
「お礼」か「御礼」か?正しく使い分けるコツ
まずは基本から。
「お礼」と「御礼」には、実は大きな違いはありません。
普段の生活の中では、どちらを使っても問題ないですよ。
ただ、公式な文書を扱う場合は、少し注意が必要になります。
使い分けが基本的に不要な理由と、公式文書での使い方をもう少し掘り下げて説明します。
日常生活では「お礼」と「御礼」を気にしなくてOK
実のところ、「お礼」と「御礼」の使い分けが必要なのは、公式文書を扱う場合だけです。
日常の会話や一般的な書き言葉では、どちらの表現を使っても問題ないんです。
だから、公式文書以外では好きな方を自由に使って大丈夫。
これから、公式文書での「お礼」と「御礼」の使い方について、もう少し詳しく見ていきましょう。
公式文書での「お」と「御」、どう使い分ける?文化庁のルール
公式文書で「お」と「御」をどう使い分けるか、文化庁から指針が示されています。
この基準は、2010年11月30日に公開された「公用文における漢字使用等について」という文書で説明されています。
このルールによると、後ろに続く単語がひらがなの場合は「お」、漢字の場合は「御」を使うのが適切とされています。
たとえば、
- 「礼」は漢字なので「御礼」となり
- 「れい」は平仮名なので「おれい」となります
同様に考えて、
- 「案内」→「御案内」
- 「あんない」→「ごあんない」
- 「挨拶」→「御挨拶」
- 「あいさつ」→「ごあいさつ」
このように使い分けるのが好ましいですが、注意点として、この規則は公式文書に限るということを念頭に置いてください。
もう一度整理:公式文書での「お礼」と「御礼」
再度確認しましょう。
「お礼」と「御礼」についての明確な区分は基本的に設けられていません。
そのため、どちらを使っても間違いはありません。
ただし、公式文書では「御礼」の方が適しています。
これは、「礼」という単語が漢字であるため、「お」よりも「御」を用いる方が正しいとされています。
文書では「お礼」と「御礼」が混ざらないようにする
公式文書をのぞき、「お礼」と「御礼」をどちらを使うかに決まりはありませんが、文書を書く際は一貫性を意識することが大切です。
同じ文書の中でこれらを混ぜてしまうと、読む人にとっては少し違和感を感じるかもしれません。
全角と半角文字がごちゃまぜになるのと似た感じですね。
絶対のルールがあるわけではありませんが、文書をスムーズに読んでもらうためには、どちらかに統一しておくべきでしょう。
「御礼」の読み方は「おれい」それとも「おんれい」?
「御礼」の読み方は、みなさんどうしていますか?
多くの人が「おれい」と読んでいる中で、「おんれい」と言う人もいますね。
でも実は、「おんれい」という読み方は辞書に載っていないんです。
「おれい」が正しい読み方ですが、「満員御礼」を「まんいんおんれい」と読むように、この読みも広く使われています。
言葉は時代とともに変わっていくもので、「新しい」が「あたらしい」となったのもそう。
新はあらたと読むので、元々は「あらたしい」と読まれていましたが、時が経つにつれ「あたらしい」が定着しました。
言葉は流れに乗って変化するものです。
まとめ
この記事では「お礼」と「御礼」の使い分けについて紹介しました。
公式文書以外では、どちらを選んでも問題ありませんが、公式文書では「御礼」が好ましいとされています。
大事なのは、文書内で表記を一致させること。
そうしないと、読み手に不快感を与えかねません。
また、「御礼」の読み方については、正確には「おれい」ですが、実際は「おれい」と「おんれい」の両方が使われており、言葉は時代と共に進化していることがわかります。