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正しい日本語を知るためのしづらいの使い方

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「しづらい」は、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。

誤った「しずらい」という表記に注意しながら、適切に使いこなしましょう。

「しづらい」の表記について

「しづらい」は、日本語の正しい表記として一般的に用いられる言葉ですが、表記の仕方にはルールがあります。

「しずらい」と表記されることもありますが、これは誤りです。

「しづらい」は「する」+「づらい」の形で構成されており、「づらい」は「しにくい」と同じように「困難である」「やりにくい」という意味を持ちます。

 

「しづらい」を使った例文

さまざまな場面での具体例

  • この靴は歩きづらい。
  • 彼の説明は分かりづらい。
  • 満員電車では動きづらい。
  • 風邪気味で声が出しづらい。
  • 今日は体調が悪く、食べづらい。

ビジネスシーンでの使用例

  • この提案は実現しづらい。
  • 上司には言い出しづらいことがある。
  • クライアントに伝えづらい内容だ。

「しづらい」の表現方法

さまざまな表現パターン

「しづらい」は、「するのが難しい」「やりにくい」などの意味を持ち、状況に応じて以下のような言葉で表現されることがあります。

  • 話しづらい → 言いにくい、打ち明けにくい、伝えにくい
  • 使いづらい → 使いにくい、不便だ、操作が難しい
  • 理解しづらい → 分かりにくい、難解だ、把握しにくい
  • 読みづらい → 読みにくい、解読しにくい、判読困難
  • 聞きづらい → 聞きにくい、聞き取りにくい、耳に入りにくい
  • 書きづらい → 書きにくい、筆が進まない、記述しにくい

このように、「しづらい」は場面ごとに適した表現を用いることで、より具体的でわかりやすい日本語表現になります。

特にビジネス文書では、適切な言い換えを活用することで、伝わりやすい文章を作成することができます。

「しづらい」の言い換え一覧

ビジネスシーンでの言い換え

  • 言いづらい → 申し上げにくい、口にしにくい、発言しにくい
  • やりづらい → 実行困難、取り組みにくい、遂行しにくい、進めにくい
  • 伝えづらい → 伝達が難しい、表現しにくい、言葉にしにくい、説明しにくい

日常会話における表現

  • 使いづらい → 使いにくい、不便だ、操作しにくい
  • 分かりづらい → 理解しにくい、難解だ、把握しにくい、誤解されやすい
  • 食べづらい → 食べにくい、噛みにくい、飲み込みづらい、消化しにくい

書き言葉での適切な表記

書き言葉では「しづらい」の代わりに「しにくい」や「困難だ」などの表現を使うこともあります。例えば、

  • 「このシステムは操作しづらい」→「このシステムは操作が困難だ」「このシステムは直感的に使いにくい」「このシステムは設定が複雑で扱いにくい」
  • 「説明が分かりづらい」→「説明が難解である」「説明が専門的すぎて理解しにくい」「説明が要点を捉えていないため誤解を招きやすい」

このように、文脈によって適切な表現を選ぶことで、より明確に意図を伝えることができます。

特に公式な文書やビジネスメールでは、適切な言い換えを意識することで、より洗練された文章を作成できます。

「しづらい」と「しにくい」の違い

「しづらい」の意味と使い方

「しづらい」は、心理的・物理的な要因によって行うのが難しい状況を表します。

  • 例:「この話題は話しづらい」(心理的な抵抗感)。デリケートな話題であり、相手の気分を害する可能性があるため、簡単には言葉にできない。
  • 例:「この道は歩きづらい」(物理的な障害)。道幅が狭く、石畳や段差が多いため、スムーズに歩くのが難しい。
  • 例:「暗い部屋では本が読みづらい」(物理的な要因)。照明が不足しており、目が疲れやすく文字がはっきり見えない。
  • 例:「緊張していて声が出しづらい」(心理的な抵抗感)。プレゼンテーションや大勢の前で話す場面では、緊張が影響して言葉が詰まりやすくなる。
  • 例:「慣れないソフトウェアは使いづらい」(機能的な要因)。操作方法が直感的でなく、必要な機能を見つけるのに時間がかかる。

このように、「しづらい」は日常生活のさまざまなシーンで用いられ、その状況によって心理的・物理的・機能的な理由が異なります。

「しにくい」との違いを解説

「しにくい」も同様に「やりにくい」という意味を持ちますが、「しづらい」に比べて物理的・機能的な困難さを強調する場合が多いです。

  • 例:「このペンは書きにくい」(ペンの性能が悪く、インクの出が悪かったり、グリップが滑りやすかったりするため、スムーズに書けない)
  • 例:「この部屋は住みにくい」(環境が悪く、日当たりが悪い、湿気が多い、騒音がひどい、収納スペースが少ないなど、快適な生活を送るのが難しい)
  • 例:「この靴は歩きにくい」(靴のサイズが合わない、ソールが滑りやすい、重すぎるなどの理由で快適に歩けない)
  • 例:「このアプリは操作しにくい」(ボタンの配置が直感的でなく、必要な機能が見つけにくい、動作が遅いなどの理由でスムーズに使えない)
  • 例:「この文章は読み取りにくい」(フォントが小さい、文字間が詰まりすぎている、難しい表現が多く理解しにくいなどの理由でスムーズに読めない)

使用場面による使い分け

「しづらい」と「しにくい」の違いは微妙ですが、しっかりと使い分けることでより適切な表現が可能になります。

しづらい:心理的な要因が関係する場合に使われることが多い。

    • 例:「上司にこの話をするのは気まずくて話しづらい」(心理的抵抗感)
    • 例:「彼女の前でこの話をするのは気が引けて言いづらい」(遠慮や気遣い)

しにくい:物理的・機能的な要因が関係する場合に用いられる。

    • 例:「この椅子はクッションが硬くて座りにくい」(物理的要因)
    • 例:「このリモコンはボタンが小さくて押しにくい」(機能的要因)
    • 例:「この道は舗装が悪くて歩きにくい」(環境的要因)

このように、心理的な障壁があるときは「しづらい」、物理的・機能的な問題があるときは「しにくい」と考えると、より自然な日本語表現ができます。

まとめ

この記事では、「しづらい」という言葉の正しい使い方や表記ルール、類似表現との違いについて解説しました。

「しづらい」の正しい表記と意味

  • 「しずらい」は誤りで、「しづらい」が正しい。
  • 「する」+「づらい」の形で、「やりにくい」「困難である」という意味を持つ。
  • 例:「満員電車では動きづらい」

「しづらい」と「しにくい」の違い

  • 「しづらい」→心理的な要因で困難な場合(例:話しづらい)
  • 「しにくい」→物理的・機能的な要因で困難な場合(例:歩きにくい)