雨が上がった後に空を彩る虹を見ると、気持ちが明るくなることがありますよね。
また、庭でホースを使って水やりをしている時、ふとホースの先端にできる小さな虹を目にすることがあるかもしれません。
色々な色が組み合わさってできる虹は、一般に「虹色」と称されますが、この虹色がどのような順に並んでいるのか、どんな色が含まれているのか、皆さんはご存じでしょうか?
予想以上に知らない人が多いかもしれません。
そこで、虹の色の並び方や覚え方、さらには世界における虹色の状況について説明します。
赤から紫まで、虹の色の並び方とは?
日本においては、虹の色はアーチの外側から内側にかけて、以下の七色の順に分けられています。
- 赤
- 橙
- 黄
- 緑
- 青
- 藍
- 紫
虹の各色の境界ははっきりしておらず、赤から橙へ、橙から黄へ、黄から緑へと、グラデーションのように色が変わっていきます。
内側の藍色や紫色は、空に溶け込みやすく、視認しにくいことがあります。
そのため、観察する人によっては、虹を七色ではなく五色や六色と感じることもあります。
さらに、虹が現れる時間によっては、虹全体が薄くぼんやりとして見えにくい場合があります。
どうして虹はこの順番で色が配されているのでしょうか?
虹の色は、外側が赤で始まり、内側へと進むにつれて紫に変わっていきます。
これは、虹が何か不思議な力によって突然現れるわけではなく、自然の法則に従った現象によるものです。
太陽光が空中の水滴に当たって反射・屈折し、その結果として虹が生まれます。
光は水滴に接触すると、その進行方向を変える性質があります。
光はさまざまな色を含んでおり、それらが水滴によって分散し、それぞれ異なる方向へ屈折します。
色によって屈折の角度が異なるため、最終的には色が層に分かれて見えるわけです。
また、色が分かれるこのパターンはいつも一定なので、どこで虹を観測しても、色の配置や並びは変わりません。
虹の色順を覚える方法
虹の色順を覚える方法を3つご紹介します。
音で記憶するコツ
虹を形成する色の並びを頭に入れるのは、予想以上に手強いですね。
そんな時役立つ、いくつかの記憶術をご紹介します。
初めに、虹の七色を声に出して覚えるアプローチです。
それぞれの色を音で表して、リズミカルに記憶しましょう。
アーチを形成する虹の色は、外側から順に以下のように声に出せます。
- 赤 セキ
- 橙 トウ
- 黄 キ
- 緑 リョク
- 青 セイ
- 欄 ラン
- 紫 シ
これを順に「セキトウキリョクセイランシ」と連ねて記憶するわけです。
この方法の難点は、音とそれぞれの色を直感的に結びつけにくいことですが、リズム感を利用した覚え方は記憶に残りやすいので、一度試してみてはいかがでしょうか。
言葉を利用した記憶術
もう一つの方法は、言葉を使った覚え方です。
こちらは、虹の色を内側から外側に向かって覚えます。
「知らせろ男」というフレーズで紫から赤にかけての色順を記憶します。
- 紫(シ) :し
- 藍(ラン): ら
- 青(セイ): せ
- 緑(リョク): ろ
- 黄色/黄土色(オ): お
- 橙(トウ) :と
- 赤(コウ): こ
「お」と「こ」は少々無理がある感じもしますが、このフレーズを使えば記憶しやすくなります。
色と音を直接結びつけるのが難しい点はありますが、覚えやすいフレーズを使うことで、より記憶に残りやすくなります。
英語で記憶する方法
さらに、虹の色を英語で覚える方法もあります。色を英語に訳し、その初文字を使います。
アーチの外側から順に、色は英語で以下のようになります。
- 赤: Red (R)
- 橙: Orange (O)
- 黄: Yellow (Y)
- 緑: Green (G)
- 青: Blue (B)
- 藍: Indigo (I)
- 紫: Violet (V)
これらの初文字を取って、「Roy G Biv(ロイ・ジー・ビヴ)」という名前風に記憶するわけです。
特に英語が得意な人にとっては、この方法が記憶に留まりやすいかもしれません。
虹の色数、世界各地での多様性
虹の色の分け方には、一律の基準がなく、地域や文化によって7色だけでなく、6色、5色、あるいは2色と見る場合もあります。
さまざまな地域での虹の色数の違いを紹介しましょう。
アフリカのアル部族は虹を8色と数え、赤、橙、黄、黄緑、緑、青、藍、紫としています。
一方、日本では通常7色、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫とされますが、過去には5色と考えることもあったそうです。
韓国では現在7色ですが、古くは1色から5色までの幅がありました。
オランダ、アメリカ、イギリスでは7色や6色、フランスやドイツは5色、時には7色や3色と変動します。
中国の漢族やメキシコのマヤ族は5色、ロシアやインドネシアのフローレス島、台湾のブヌン族はそれぞれ異なる色数で虹を定義。
南アジアのバイガ族や日本の沖縄では、2色で虹を表現する文化もあります。
このように、虹の色数はその地域の文化や歴史、さらには人々の視覚的経験によって変わってきます。
各地域で異なる虹の色数は、そこに住む人々の色覚や価値観の多様性を映し出していると言えるでしょう。
地域によって異なる虹の色彩
虹と言えば、多くの人が七色を思い浮かべるかもしれませんが、実際にはその色数は地域や文化によって異なります。
虹の色が明確に分かれている絵やイラストとは異なり、自然界の虹はその色彩がはっきりしないため、実際に見る色数も変わってくることがあります。
日本では赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と7色が一般的に認識されていますが、世界の他の地域では色の数が増減します。
虹の基本的な色の順序はどの国でも共通していますが、その数が異なるのは、視る人々の文化的背景や見方の違いからくるものです。
虹の成り立ちを深く理解することで、雨の後に空を眺める時の体験がさらに豊かなものになります。