この記事では、熊手の正しい読み方とその背景について解説します。
「くまて」とも「くまで」とも読めそうですが、正しくは「くまで」です。
どちらが正しいのかなどを検証していきます。
熊手の読み方の違いとその理由
「熊手」の正確な読み方としては、「くまで」が正しいです。
「熊」という字は「くま」と読むこともあれば、「ゆう」と読むこともあります。
「手」という字は通常「て」「しゅ」と発音されますが、「くまて」という読み方は一般的には誤りとされています。
単独で「で」と発音されることはない「手」ですが、熊手の場合は「くまで」と読むのが適切です。
これは、日本語の「連濁(れんだく)」という現象によるものです。
連濁とは、二つの語が結合して新たな語を形成する際に、発音をしやすくするために後ろの語の語頭が濁ることを指します。
熊手では「熊(くま)」と「手(て)」が組み合わさり、「て」が「で」と濁音に変わります。
他にも濁音で読まれる例として、「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」などがあります。
そのまま読むと「てかみ」「わたけ」となりますが、連濁によって「てがみ」「わたげ」となります。
日本語では、連濁によって語頭が濁音に変化することが一般的ですが、すべての語がこの規則に従うわけではないので、例外もあることに注意が必要です。
次に、熊手の具体的な意味についても解説します。
熊手の意味
熊手とは、長い柄の先端に扇形に配置された、熊の手を模した曲がった爪が特徴の道具です。
素材は、竹製の物が多いですが、忍者熊手といって爪の部分が鉄のものもあります(雑草を取る時などに使います)。
この道具は主に、庭や公園の落ち葉をかき集めるために使用されます。
「くまでぼうき」「レーキ」とも呼ばれます。
(レーキには、熊手、忍者熊手、ガーデンレーキ、アメリカンレーキ、グランドレーキなどがあります)
熊手のことを、方言で「がんじき」とも呼ぶようです。
熊手というと、もうひとつ、「商売繁盛」や「開運招福」の願いを込めて飾られる縁起物の意味もあります。
酉の市やえびすさん、初詣で購入する方もいるでしょう。
熊手は、その形から「福をかき込む」象徴として位置づけられています。
福運や財を引き寄せる力があるとされ、縁起の良いアイテムとして親しまれています。
まとめ
熊手の正しい発音は「くまで」であり、「くまて」という発音は誤りです。
熊手は、竹の長い柄の先に熊の手に似た爪を備えた道具です。
主に、落ち葉や刈り葉、軽いゴミなどをかき集めるときに使います。
また、縁起物の熊手は、熊手で落ち葉をかき集めるように、「福をかき集める」縁起物として、毎年お店などに飾っている方も多いです。