「片」という漢字は、「片山」「片岡」「片桐」といった、多くの日本人の姓に使用されています。
ただし、「片」という漢字には、4画目の数字の7のような部分が「T」のように突出したタイプもあります。
「片」の旧字をパソコンで表示する方法を調べたところ、現時点では、フォントを変更するしか方法がみつかりませんでした。
この、「片」の下の部分が「Ｔ」のタイプの漢字は、現在ほとんど使われていないため「旧字」とされています。
ただ、その分類が曖昧で「異体字」とも言われることがあります。
この記事では「旧字」という用語を採用して説明します。
「片」の旧字をパソコンでどう表示するか
「片」の旧字は、パソコンで直接表示することはできませんが、特定のフォントを利用することで解決可能です。
主に「楷書体」系のフォントを使用することで、旧字を表示することができます。
例として以下のフォントがあります。
- HG正楷書体-PRO
- Sモトヤ正楷書
- Sモトヤ行書
- TA堀内正楷書
- CPPコーパス毛筆楷書体
- CPコーパス毛筆楷書体
入力した「片」の字を選択し、現在使っているフォントから、例えば「HG正楷書体-PRO」に変更すれば表示されるはずです。
ただ、探すのが難しい場合もあるかもしれません。
Wordには「HG正楷書体-PRO」があったため、簡単に表示できましたが、使用するソフトによっては、旧字体の「片」を表示できるフォントがないこともあります。
実際、Excelや、Windowsのメモ帳などを調べてみたところ、旧字の「片」を表示できるフォントがありませんでした。
「Sモトヤ正楷書」「Sモトヤ行書」については、今回、オンラインのデザインツールのフォントを一通り試して見つけました。
このように、使いたいソフトに、旧字を表示できるフォントがあれば表示可能ですが、無い場合は表示できません。
その場合は、「片」の文字での代用を検討してみてください。
どうしても旧字の記載が必要な場合は、「IPAmj明朝フォント」をダウンロードして使う方法もあるようです（無料で使えます）。
IPAmj明朝フォント（文字情報技術促進協議会 公式サイト）
アプリケーションに多くのフォントが用意されている場合は、利用できるフォントが数種類見つかるかもしれません。
楷書体の中にも旧字体をサポートしていないものがあるため、実際に試して、旧字体が表示されるフォントを探してみてくださいね。
フォントを変更する際は、文書全体でフォントを統一することをお勧めします。
これにより、文書の読みやすさを保ちながら、旧字を取り入れることができます。
もし、旧字の部分だけフォントを変更しても違和感がなければ、そのまま使用してもいいですね。
旧字「片」の文字コードについて
パソコンで用いられる文字は、それぞれに「文字コード」が割り振られています。
そのため、特定のコードを入力し「F5」を押すことで、目的の文字を画面に表示することができます。
しかし、「片」の旧字として知られる特殊な形状（右に突き出た横棒を持つ「T」形）に関しては、文字コードが存在しないことが判明しました。
「T」の形をした「片」の旧字は、たまに使用されるものの、それに対応する文字コードがないことは少々残念です。
余談ですが、他の「片」の文字コードは存在しています。
例えば、「片」が二つ並んだ文字「㸞」のコードは「3e1e」、また「片」と「半」が組み合わさった文字「牉」のコードは「7249」ですが、これらはあまり一般的ではない文字です。
まとめ
「片」の旧字をパソコンで表示するには、表示できるフォントを探しましょう。
旧字の「片」の文字コードはないため、フォントの設定変更が現在の解決策です。
例えば、Wordの場合は「HG正楷書体-PRO」が入っていると思うので、文字を選択してフォントを変更してみてください。
フォントを変えるだけで、一般的な文字設定では表示されない旧字体を、画面上に表示することが可能となります。